1-22The one short story. – met… -Episode 1/2

彩メロについて

数年前、電撃が走った――――。

 

 

特別お金持ちでも、ましてや貧しいわけでもなく

これと言って不自由のない

そんな家庭にうまれた彼のお話。

 

 

少し都会に住む彼はすべてが豊かで

けれども特別でもなく

ただ言えるのは、恵まれていた…のだろう。

 

 

彼の小学生期は成績上位だった。

少しできる彼だった。

少し頭がよいと言われていた。

 

それなのに

実はモノを知らない

意外と見たことがない

興味がないからだ

そんなまやかしの知識で

覆われた…いや、覆えてしまった彼。

 

そんな彼、小学校4年生。

とある日の給食に

今までは見たことのない

 

名前は分かる

見たこともある

けど知らない

ものがそこにはあった。

 

 

いつものごとく興味はない…はずだった

 

それを食べたとき

なんと形容しようか

胸を打たれたような衝撃というか

バチバチっと電撃が走ったというか

そんな感覚に落ちた。

 

もうトリコになっていた

忘れられないあの感覚

初めてだったあの味

抑えられない感情が

彼の中を渦巻いていた

 

そう

出会ってしまったのだ

 

甜瓜という

 

衝撃に…。

 

 

たったひとつの他愛のない給食の

お皿に乗って彼の目の前に現れた

あの甜瓜が

 

の運命を変える罪人になることも知らず…

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